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よくある心配事を解決
病気の先輩

初診訪問記

1、インターネットで病院探し
20数年来痔を患ってきたが、良い健康のバロメーターだという感覚で、放っておいた。ところが、今年6月に入る頃から、直腸内部が疼きはじめた。時折、ジワッとした鈍痛がある。そこで、先週の土曜日に妻の通う病院に見てもらいに行ったが、あいにくと休日のため内科医しかおらず、痔の薬をもらっただけで終わった。実は妻が症状を看護婦に話したところ、必ず連れてくるようにと言われたようだが、看護婦の熱意とは裏腹に病院の体制がミスマッチである。「餅は餅屋」でなければダメだ、と私も思っていた。
そこで、1週あけた月曜日、インターネットで病院探しを試みた。先ず「病院」で検索し、その中から「肛門科」にアクセスした。すると、いくつかの病院が掲示され、その中から「東葛辻仲病院」を選んだ。手術実績など信頼できるデータはもとより、病院の方針や院長の姿勢なども大事である。千葉(我孫子)にあると言うことも決め手となった。それにしてもインターネットとは便利なものだとつくづく感じたことである。何のつてもない人間が、こうして、数分後には自分に応じた病院を見つけだしている。

2、メール
そのホームページに、メールすれば数日中に必ず返事があるという事が書いてあったので、自分の状況をメールした。すると、夕方には返事が来たのに驚いた。恐らくたまたま見たのであろう。第V度の内痔核があるのは確実、このメールを持って来院されたし、ということが記載されてあった。これは信頼できる。直感的にそう思った。
何故そう思ったか?こちらも症状を的確に書いたつもりだが、それに対して通り一辺の回答ではなかったからである。指示が的確であり、返信にそれ以外の余分がなかった。つまり、プロの回答の仕方だと感じたのである。ところで、まだ病院に行かないうちから、医師と利用者がコミュニケーションしているというこの事実に、通信の発達の恩恵を感じた。

3、受診決意
さて、メールした月曜日には、その週の土曜日に受診するつもりであったが、翌火曜日にシャワーを浴びたときのこと、肛門から1cmくらい後ろの皮膚のところが、シャワーのお湯で痛いのである。ここは、以前から押さえると痛いところであったが、座りっ放しなので筋か何かが張って(?)痛いのであろうとずーっと思っていた。いわゆる肩凝りのようなもの(笑)と勝手に考えていたのである。が、この時は切れるように痛かった。その上、触ると周囲がこりこり中心部がぶよぶよしている。つまり、もう一つの肛門が皮膚の下に隠れているような感じなのだ。これにはビックリした。先ず見てもらわなければ話にならない。
そこで、水曜日の朝急遽行くことに決めた。私の場合、何をするにもこういうところがあるが、決めると早い。場合によって、即入院と言うことになろうとも、先ずは我が身である。妻に会社に電話するよう言いおいて、7:20頃家を出た。混み合った16号を北上し、一度取手方面へ行きすぎて戻り、9:20頃に到着した。
月曜日パソコンの前に座って、数分後に病院を見出し、そして数時間後にはそこの医師とコミュニケーションし、そして水曜日、受診に出かけた。通信社会のメリットを最大に活かして、“善は急げ”である。今の社会の利便性を最大に活かすのは自分の決断と行動だ。

4、待合い
受付でメールをプリントしたものを出すと、院長に診察をお望みですかというので、そうお願いした。結構待合いにいたので、どのくらいかかるか聞いたところ、30分くらいという。先ず、その速さが驚きだった。この人数をそんなに早く裁けるのか。待合いの向かいにある喫茶ルームで、持ってきた雑誌を読みながら待つ。呼び出しもマイクではっきりと聞こえるので、安心してゆっくりと出来る。まるで、診察待ちのムードではない。というよりも病院の中にいる気がしない。飲み物の値段も妥当なものだ。待合室でじっと待つよりも、よほどリラックスして生産的な時間が持てる。もっと利用者がいてもいいと思った。そして、本当にジュースを飲み終わるくらいの時間で呼び出しがあった。

5、診断
4号室にはいると、看護婦に言われたとおり、すぐにベッドに尻を出してヨコになる。看護婦の進め方も先生の対応も早い早い。考える間もなく、ぐっと手を入れ中を見て、ものの1分かそこらで触診は終わり。押さえられたところが的確に痛かった。すぐに病態説明がある。私の場合、メールでの見立て通りV度の内痔核が内側3カ所にあった。それに加えて排便時に外に出る外痔核もあり。その上(!)、もう1カ所には痔瘻があって、それが皮膚上から押さえて痛い部位の犯人だったわけだ。まさか、痔瘻があったとは!痔瘻とは、細菌感染で膿んだものである。
結局入院が必要と言うことになった。何しろ4カ所の手術である。日帰りと言うわけには行かないようだ。端的な説明の後、今度は入院日程の打ち合わせがあるという事で、外で待つ。

6、入院打ち合わせ
待合室と受付をはさんだこちら側に、打ち合わせカウンターとブースがある。カウンターでは30代男性が打ち合わせをしていたが、看護婦も男性も明るい明るい。じめじめした空気はどこにもなかった。
間もなくスーツを来た女性がさっそうと現れ、そのオープンなブースに通された。私はこの際、明日からでもOKの気持ちであったが、流石に人気があるだけあって毎日10人の手術が7月一杯は埋まっていた。残念である。そこで最も早い8/5にしていただいた。仮に10日間の入院となればお盆にかかるが、お盆もやっているので問題ないという。痔瘻を抱えながら、あと1ヶ月は我慢するのかと思うが、まあ致し方ない。
入院時に大腸検査(2万円)をやり、翌日手術。10日間入院して10万円(本人負担2割)である。個室等を所望しなければ計12万円ですむことになる。病室は4人部屋であるが、ここでの人のつながりも面白いであろう。何しろ、裃を脱いだ“お尻あい”となるわけである。その上、ノートパソコンOKであるので、退屈しのぎどころか充電も出来そうである。また、バブルジェットバスや展望大浴場など、設備は申し分ない。気持ちは、なんだかリゾートで心身の充電をする気分である。手術のための入院という気持ちがまるでない。
それは、このブースでの説明と入院の打ち合わせが、まるでビジネスの打ち合わせをやっているようにも思えたからであろう。何故そう思えたのか?何しろ、打ち合わせの相手がナース服ではなく、私的スーツなのである。先ずこれで視覚的に病院という感覚から遠ざける効果がある。次に、打ち合わせスペースが、ちゃんとパーテーションで区切られたテーブルである。これで環境的に病院という感覚がなくなる。そして、必要なことを的確にやりとりしていくので、まるで研修会場の日取りの打ち合わせでもしているような感覚なのだ。
先ず、入院者の気持ちを前向きに変える、このコーディネーターのキャラクターと役割は重要だと感じた。

7、入院前検査〜会計〜薬局
次いで入院のための血液検査と心電図検査を行った。こちらもてきぱきと進んでいく。すぐに終わって会計に戻ると、何と既に会計はすんでいた。会計がすんでいる?待つために座りかけた私は、一瞬耳を疑った。病院の会計とは、待つことが“常識”ではなかったか?しかし、すんでいたのである。むしろ、こちらの到着を待ち受けていたようだった。これまた、これまでの私の中の“病院”の常識を覆すものであった。
それともう一つ。「会計」の中で3つのPC端末の前に座っている女性達もまた、ナース服を来ていなかった。どうみても、企業の女子社員の制服である。まるで、どこかの会社の会計窓口に立っているような気がした。
そして、その足で薬局へ。検査の時と同じく、薬局でもまた、私一人である。あれだけ待合いにいた人たち、そして今もいる人たちは、一体?…ともあれ、薬局で丁寧に薬の説明を受け、そして、これで終わりだった。ほぼ1日掛かりになることを想定していた私にとって、このスピードはきつねにつままれたような気分だった。

8、初診印象
病院のドアを開けて眩しい陽光の下に立ったとき、何かのビジネスの打ち合わせに来たような気分がしてならなかった。何故だろう。何故、“ビジネスの打ち合わせ”という感覚を持ったのか。環境的工夫もあった。しかし、最終的には接した“人”であると思った。看護婦、入院コーディネーター、検査技師や薬剤師、会計や受付の女性達、それぞれのジョブディスクリプションが明確で、それぞれのジョブに応じたユニフォームを着、それぞれが自分の職務をきっちりと遂行していたからであろう。仕事をスピーディーにするための基本がしっかりしている。そして、それらが有機的につながっている。
さらに素晴らしいのは、彼ら全員がホスピタリティ(もてなしの心)をもっていたことである。企業人には、CS(カスタマー・サティスファクション)が徹底されていた、といった方が分かりやすいかもしれない。簡単に言えば、フレンドリーで明るくさっぱりした雰囲気を持っていた。
つまり、組織が全体として効果的に機能していること、それら機能をになっている個々人がある種ビジネスライクに、しかしCSマインドをもってきびきびと動いていること。これら全体の印象が、私に「病院に来た」というよりも、「ビジネスの打合せに来た」という印象を抱かせた根拠であろうと思った。
これなら、次に人間ドックに来てもいいな、と感じた。病院に対して、誰もリピーターになろうなどとは普通は思わないだろう。できれば避けて通りたいところだ。が、医療費抑制もあり、これから予防思想が定着するにつれ、定期的にドックを受けるということも個人のライフスケジュールの中に入ってくるのではないだろうか。そうなると、病院にとっても、ディズニーランドではないが、リピーターの確保というのは重要な施策になるはずである。

9、パンフレット
帰宅して改めてパンフレットを見る。なるほど。院長の“ごあいさつ”に尽くされていた。詳細は書かないが、この院長のポリシーが見事経営に実践されていたのである。
組織はトップ次第である。ポリシーを持ち、ビジョンを示すことが出来れば、病院でもこれだけ効率の良い“経営”ができることを、この病院は示していると思う。

以上