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病気の先輩

8月×日(日)

入院の朝

いよいよ入院当日である。2週間前に荷物はすでに万端整い、後は昨夜まで使っていたメビウスMT1-H1(ムラマサ)を入れておしまいだ。おっともうひとつ、今朝は散歩がてらサンクスに買い物に行った。トラベルセットである。シャンプーやボディソープ、歯磨き粉などの小物をそろえた。こういう小物は、コンビニに売っていると教えてくれたのは女房である。家族はおにぎりなど買い込んで、行楽気分でだ。子どもたちが病院を見てみたいというので、車で連れて行くことにしたのだ。
9:00病院に電話を入れる。同室になる人に何か手土産をと思ったのだが、逆に食べられなければかわいそうなので聞いてみたのだ。しかし、状況は刻々変化しているため、担当の看護婦に聞いたほうが確実ということで、とりあえず同室者用と看護婦さん用に何か買っていくことにした。9:15頃に家を出る。スタンドでガソリンを満タンにして、いざ我孫子へ。
思ったよりもスムーズに走ったので、手賀沼大橋たもとにある道の駅で一息。ここで、ブランデーケーキとワインケーキを買う。小5の息子が得意げに教えてくれた。「ここはね、千葉で2番目に汚い沼なんだよ。4年生のとき習ったよ」と。ああ、かわいそうな沼。なんていう教えられ方をされているんだろう。ちなみに、栄えあるナンバーワンは、印旛沼だそうだ。
さて、そこから病院まではものの10分くらいであった。受け付けには私と同じように大きな荷物を抱えた人が数名。受付を済ませ、間もなくすると病室に通された。カーテンで仕切られた4人部屋である。後で聞いたところによると、明日退院の方が一人いて、それ以外の方は食べられないという。仕方ないので、手土産はすべてナースステーションにお渡しした。

病室案内

まず、病棟のお世話係りの方から話があった。病棟の使い方と今日これからのスケジュールの概要である。ベッドにはクローゼットとTVが備えてあり、TV台兼の棚には、鍵のかかる小物入れもある。便利なのは、引き出すことのできるテーブルがついていることだ。今、その上にメビウスを置いて、こうして打っている。
ベッドは電動式でいろいろと遊べそうである。トイレは各部屋ごとにあり、車椅子のままで入ることができるように広く作られている。簡素ながら非常にきれいな病室であった。説明の最後に家族に渡された黄色い紙には、外からこの枕もとの電話にかけるかけ方が記されていた。そう、電話も個人単位であり、インターネットもOKなのである。
説明後まもなく12:00。食事が運ばれてきた。家族と一緒に食堂で食事。素うどんだけの私の食事を子ども達がからかっている。何のお前たちだって、おにぎりだ。他に食べていた6,7名の“先輩”方は、通常食である。今朝は病院からの指示により蜂蜜のみの食パンだけだったので、こうして打っている3時半現在、もうお腹が空いている。夕飯は流動食とのこと。やれやれ。
12:15から、TVの15チャンネルで館内のビデオ放送があると説明があったので、病室に戻る。明日の手術の段取りや様子を説明する3分ほどのビデオであった。なかなかいい仕組みだが、再放送は夜8時からしかない。もっと頻繁にあれば便利だと思う。
この後12:30頃からナースによる説明があるということで、ここで家族を帰すことにした。子どもたちは病院探検が十分にできなくて残念だったようだ。休日ゆえ閑散とした玄関まで見送りに行く。タクシー待ちのため、逆に見送られる羽目になったが、廊下の曲がり角で見えなくなるまで手を振っていた息子(小5)がかわいい。

ナースの説明

12:40ころ、食堂に集められ「入院生活のしおり」に添ってナースから説明を受ける。大体一人のナースが2,3人を受け持っている。私と一緒に説明を受けた方は1ヶ月前に痔ろうの応急処置をした 60代男性。説明と同時に体温、血圧、アレルギー反応の注射検査があったが、その男性は以前の結果がわかっているので注射検査はなし。高血圧の薬を服用しているが、血圧も正常だったようだ。
手術の時に麻酔をするため、下半身が麻痺し垂れ流しになるという。そこで、採尿管をつけるわけだが、その男性は「あれはいやで前回もつけなかった」そうなので、私も尿瓶でやることにした(手術後地獄を見ることになるが)。
説明時に、早速下剤を飲まされたが、この後夕食も液体、明日の朝5:30に起こされ下剤+水薬2リットル(!)と、徹底して水攻めになる。大腸検査があるため、宿便が出て、小水のような便になるまできれいにするわけだ。
ところで、手術は電気メスで行うため、身体からあらゆる貴金属類をはずさなければならない。メガネなしでは、せっかくの切り取ったものをよく見ることができずに残念である。やっかいなのは指輪だった。この17年間で、指の肉を削る以外に取り外す道はなくなっていた。ナースが知恵を絞り、ゴム手を輪切りにしてようやく指と指輪の間にゴムを挟むことができた。それにしても電気メスの電気が指輪にまで伝わるものなのか?

手術前夜

部屋に戻ってまもなく、呼び出しがあった。剃毛だ。昔は前の毛まで剃った時代もあったようだが、今はそれこそ肛門の周囲のみである。会話しながら手早く処置が済む。
3時過ぎにまた呼び出しがあり、外来の診察室で医師による診察を受けた。明日手術を受ける対象者の状況を把握し、順番を決めるのだそうだ。あとで連絡があり、大腸検査は午後一、手術は午後3:30となった。

そして6:00.待ちに待った夕食である。…風呂上りに家族に報告した。「夕食は、まずスープが出たよ。」「へえ」「ただし具なしだけどね。それにオレンジジュースだ。」「両方とも、液体じゃない。」「いや、もう一つあるんだ。」「何?」(興味津々)「コーヒーだ。」ここへ来て、電話の向こうは大爆笑である。そして、「なるほどね」という。「何が?」オレンジは下痢のときに食べるなといわれるくらいの果物だ、オレンジは便を出し、コーヒーには利尿作用があるということらしい。この変な組み合わせには、合理的な意味があったのだ。看護婦から元看護婦だったのかと尋ねられたくらいの女房である。この辺のことは詳しい。

ところで、食堂で話が弾んだので、7:30ころにあわてて風呂に入りに行った。7:00から8:00までが2回目の男性タイムのリミットである。これは噂にたがわぬ豪華な風呂だった。風呂場の横にはゆったりしたソファーの談話室があり、ここだけ見るとまるで温泉宿である。

9:00消灯。隣の人はTVを見ている様子。イヤホンなので音は聞こえないが、カーテンにいろんな色が踊っている。
寝しなは少々肌寒く、夏用の寝巻きの上にTシャツを着込んだ(尚、あとで分かったが、エアコンは各部屋ごとに調整できるようになっている。退院前夜まで、調節できることを知らない方もいた。エアコンの説明も事前にあるとありがたい。)。覚えていないが、何度か夢を見、そのたびに目が覚めた。看護婦も1度見回りに来、同室の方も時折トイレに立ったりしていたようだ。