病気の先輩|よくある心配事を解決|痔プロ.com
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8月×日(月)

手術日の朝

朝5:30、起こされる。眠い眠い。まず一番に吐き気止めを飲まされる。その隣には、吐き気を催す(?)2リッターのボトルがでんと待ち構えている。吐き気止めを飲んで30分後、6:00過ぎから下剤を飲み始めた。ポカリの塩分を濃くしたような味だ。何しろ、400ccのでかいコップに5杯である。女房から、なるべく早く飲んでさっさと出したほうがよい、とアドバイスを受けていたので、それでも1時間と少しかけて飲み干した。それから、都合5回の便通。最後は、まったくの水となった。
8:00。食事のコールがあるが、私はおあずけ。その後、本日手術をするメンバーは、胸部レントゲンと肛門括約筋の検査を行う。痔の手術では、多少とも括約筋を削り取るため、手術前後でどの程度落ちるのかを測るのであろう。検査終了後、いよいよ点滴。出すものを出した後は、脱水を起こさぬよう、また栄養補給のために点滴だ。右腕をチューブにつながれると、本当に病人になった気分である。パソコンのコードに点滴のコードに、とベッド周りでの動きに注意が必要だ。
10:00。85歳のKさんが退院されていった。もっとお話をお聞きしたかったのだが…。
11:00。退院されたKさんの後に新しい入院者が来る。老夫婦だ。
11:30。呼び出しがある。胃および腸内検査だ。胃カメラを飲む準備として、ゲル状のものを含ませられた。10分近く含んでいると、口腔内がしびれてきた。台に横になり、まずは胃カメラを飲んだ。胃カメラを飲むとき、2度ほど吐きそうになったが、入ってしまえば楽なものだ。胃の中をあれこれ見た後、今度は直腸内を点検。これが痔の部分だといわれても、正直よくわからない。胃と腸の色も鮮やかなカラー写真をいただいた。両方とも癌はなし。
12:00。食事のコール。はい、私は9:00の水分補給までで最後です。

いよいよまな板の上

そして待つこと2時間あまり。手術を行うのでベッドで待機するようアナウンスがあった。予定より1時間以上も早い。そのことをナースに言うと、「先生ですから」。ナースも信頼していることが分かる力強い答えだ。こちらもはなからまな板の上の鯉のごとく、何の不安もない。
鮮やかにスムーズにベッドから台車へ身柄を移され、廊下をあちらへ曲がりこちらへ曲がり、エレベーターに乗り、まるで映画のワンシーン。そして、手術室に入り、あのUFOのようなライトを真上に見たとき、おお手術室だ、と実感した。
背中をぎゅっと丸められて、背骨に麻酔の注射をされる。「俺は痛くて、やめてくれ、と叫んだよ」という人もいたが、ちくっと感じたくらいだった。間もなく下半身がじわーっと温かくなってくる。しびれてくるのがわかった。
腹ばいに寝かせられ、右人差し指から心電図。左腕には血圧の測定装置を巻かれた。
先生が、アテローマ(脂肪腫)もとりましょう、という。これは、尾てい骨のすぐ上にぶよぶよとした脂肪の塊があるのだが、だんだんと育ってきて実は仰向けに寝るのも寝辛くなっていた。そこで昨日の別の医師による事前診断時に、ついでにとってほしいと、お願いしてみたのだ。しかし、場所が場所だけに神経とつながっている可能性もあるため、今回は痔だけにしておきましょうという話だったのだが、とってもらえるなら、それに越したことはない。
先に脂肪腫の除去が行われた。電気メスで肉を焼くこげたにおいがする。まもなく手のひらがにゅっと突き出されて、目の前に白い脂肪の塊が見えた。長径6cmの出来損ないのゆで卵、あるいは崩れたメレンゲのようだ。結構大きかった。これで、「パパには尻尾の名残があるんだぞ」と子どもたちに自慢していた(!)ものがなくなると思うとちと淋しいが、「これはほうっておくと、そのうち化膿していたよ」といわれ、心底よかったと思った。
次に、いよいよ痔に取り掛かる。見事に上半身は覚醒しているので、よく聞こえるのだが、お尻は感覚がないので何をされているのかさっぱりである。終わって、4つ5つの肉の塊を見せてくれた。
いろいろと説明してくれ、「今日は大サービス!」といって終了。大サービスありがとうございました。

小水との格闘

ベッドに戻ったときは、まだ3:00前である。手術自体はものの30分かそこらであろう。天下一品の手際だ。ナースさん方も手馴れもので、身動きできない私の体をさっさともといたベッドに収めてしまった。TV台の上にナースに買って置いてもらったお茶の缶が5つ。これから夜中の0時までに小水を出すようにとのこと。でなければ、管だそうだ。これはなんとしても出さねばならぬ。目標は下半身の痺れが取れてくる3、4時間後だ。
痺れはつま先から徐々に取れてきた。しかし、当然ながら腰周りは睾丸の部分まで含めて感覚がない。ところが、お茶を既に3缶空けているので、膀胱は満タンだ。痺れが取れるという7:00頃には、もうはちきれんばかりに痛くなってきた。尿瓶は横になったまま使うように言われたが、それではとても出そうにない。とにかく試そうと、ベッドを腰の高さにまで上げ、ちょうど尿瓶の口に立ったまま突っ込めるよう調節する。降り立ったときにさすがに痺れでふらついた。なるほど、歩行禁止にされるわけだ。二次被害が起こりかねない。
さて、はちきれんばかりの膀胱をなだめながら、押したり力を入れたりゆすったり。便秘のときに小水が出にくいのと似ていたが、こんなにも前と後ろが連動しているとは思わなかった。格闘すること30分あまり。ようやく糸を引くような小水が出てきたときは、ああ、これで破裂しないですむとほっとしたものだ。しかし、流れている実感はあまりなく、力を緩めると止まってしまう。1,2割程度しか出ていなかったと思うが、第1回目はこれで打ち止め。
その後、第2回目を経、10:00ころ、第3回目。このときに、ようやく出している感覚をつかむことができた。出し切ってはいないが、明日の朝までは持つだろうと、これで格闘を終わりにした。