色の差で早期がん発見
内視鏡治療導く新技術
体内に入れたビデオスコープで、胃や腸などの病変を探り出す内視鏡診断。血管を色調の違いで強調して、がんを突き止める「狭帯域光観察」(NBI)と呼ばれる新たな観察方法が広がっております。食道や咽頭などの早期がんを発見し、内視鏡治療に結びつけることへの期待が高まっております。
内視鏡によるがん治療
  ワイヤで病変をひっかけて切り取る「内視鏡的粘膜切除術」(EMR)や電気メスではぎ取る「内視鏡的粘膜剥離」(ESD)があります。
80年代から始まったEMRの対象病変は大きく2センチ以下。ESDは00年以降に広まり、より大きい病変の切除が可能になりました。ESDは胃腸がんで06年に公的保険の対象になり、08年から食道がんにも広がりました。
  がんが小さなうちに内視鏡で見つけるのは、知識と経験が必要。だがNBI技術の広がりで、その常識が変わりつつあります。
NBIは、06年に開発された内視鏡用の画像技術であります。がんが成長する時に、毛細血管が粘膜表層部に張り巡らされるという特徴に着目。
内視鏡に特別な光源装置を取り付け、毛細血管を強調して映し出し、血管の走り方をを見えやすくします。
医師は手元のスイッチで、NBIと通常の画像を切り替え診断します。
NBIによる画像は、二つの波長光により描き出されます。一つの波長光は、粘膜の表層部の毛細血管をとらえて茶褐色に、もう一つの波長光は、そのわずか下にある太めの血管をとらえて青や緑色に見せることができます。
医師はその画像をさらに拡大しながら、毛細血管の走り方を見定めます。


H20年6月15日 朝日新聞 「医療」 記事より 文章抜粋
  当院では、胃・大腸内視鏡検査において経験を積んだ専門医と症例が豊富であり積極的に行うようにしております。また、合併症などの事例はありません