痔の散歩道 痔という文化

[著者]織田作之助 おだ さくのすけ (1913年−1947年)

「出世作となった『俗臭』『夫婦善哉』をはじめ、『競馬』『世相』など短編を得意とした。また出身地である大阪に拘りを持ち、その作品には大阪の庶民(特に放浪者)の暮らしが描かれていることが特徴である。」

ウィキペディアより引用


痔の記述のある個所を引用します。

■「勧善懲悪」

「(略)

 −馴れぬ手つきで揉みだした手製の丸薬ではあったが、まさか歯磨粉を胃腸薬に化けさせたほどのイカサマ薬でもなく、ちゃんと処方箋を参考として作ったもの故、どうかすると、効目があったという者も出て来た。市内新聞の隅っこに三行広告も見うけられ、だんだん売れだした。売れてみると、薬九層倍以上だ。
 たちまち丹造の欲がふくれて、肺病特効薬のほか胃散、痔の薬、脚気《かっけ》良薬、花柳病《かりゅうびょう》特効薬、目薬など、あらゆる種類の薬の製造を思い立った。いわば、あれでいけなければこれで来いと、あやしげな処方箋をたよりに、日本中の病人ひとり余さず客にして見せる覚悟をころころと調合したのである。

(略)」


原文と表記が一部相違するところがあります。《  》内は、ルビ。

講談社文芸文庫「夫婦善哉」織田作之助著 一九九九年五月一〇日第一刷発行 から引用


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