二葉亭四迷
「明治文学の黎明を告げる名作『浮雲』を執筆しながらも人生への懐疑より一時筆を断ち、晩年はロシヤに渡って、病に倒れ、帰途ベンガル湾洋上にて、四十五歳で客死。終生、人間いかに生くべきかを自問し、明治期を生き急いだ先覚者」

二葉亭四迷「平凡・私は懐疑派だ 小説・翻訳・評論集成」(講談社)カバーより引用

■小説総論

(略)

「小説に勧懲模写の二あれど、云々の故に模写こそ小説の真面目なれ。さるを今の作者の無智文盲とて古人の出放題に誤られ、痔持の療治をするように矢鱈無性に勧懲々々というは何事ぞと、近頃二三の学者先生切歯(はがみ)をしてもどかしがられたるは御尤千万とおぼゆ。」

(略)

(明治十九年四月「中央学術雑誌」)
(二葉亭四迷「平凡・私は懐疑派だ 小説・翻訳・評論集成」講談社)より引用)
原文表記と異なる部分があります。